
ある日の昼休み、オフィスビルの一階にあるカフェで、てんこ、ももみ、ななみの3人がランチを楽しんでいました。
3人は、忙しい仕事の合間にちょっとした息抜きを兼ねて、日常の出来事や最近のトレンドについて話し合うことがよくありました。
この日も例外ではありませんでした。

ねえ、みんな、最近気づいたんだけどさ、私たちのランチ代どんどん高くなってる気がしない?

そうだよね。前はこのカフェでランチしてもリーズナブルだったのに、最近だとちょっと贅沢すぎる気がするよね。

でも、給料ってあんまり上がってない気がするよね。これまで通りじゃ生活がキツくなりそう。

本当にそうだよね。でも、実際の物価とか給料の上がり方って、どうなんだろう?

実質賃金ってのを知ってる?実質賃金は、物価上昇の影響を考慮して名目賃金を調整したものなんだよ。つまり、実際にお金を使うときにどれだけ価値があるかを示す指標っていうこと。

それって、どうやって計算するの?

まず、名目賃金を確定させるんだ。それから、物価指数を使って名目賃金を物価上昇に対して調整するんだよ。物価指数ってのは、商品やサービスの値段の変動を表す指標で、それを使って名目賃金から実質賃金を計算するんだよ。

なるほど、ちょっと難しいね。それで、実際に実質賃金ってどうなってるの?

それが問題なんだよね。日本の実質賃金は、最近の統計によれば、2023年7月まで16ヶ月連続でマイナスで、下降率が広がってるんだ。

16ヶ月も下がり続けてるの?それって超ヤバくない?

そうなのよ。実質賃金が下がると、給料が物価上昇に追いつかなくなって、実質的な購買力が減ってしまうんだよ。

それならどうすればいいの?実質賃金を改善できる方法ってあるの?

そうよね、これじゃ将来が不安だよね。まずは個人的に出来るような実質賃金低下対策をしていくのがいいかもね。

節約とか?

そうだね、無駄な支出を減らして、お金を賢く使う方法を見つけるのが大事だよね。たとえば、ランチを持ち弁に切り替えたり、カフェでコーヒーを我慢したりするのも考えてみたいな。

それに、追加の収入を考えるのもアイデアかもしれないよね。副業なんか最近よく話題にあがるよね。オンラインでのスキルを活かせる仕事など、収入を増やす方法はたくさんあるんだよ。

それから、資産を増やすことも考えてみたいよね。投資で将来のためにお金を増やす計画を考えてみるのもいいんじゃないかな。

投資って、どうやって始めるの?

投資ってのもリスクがあるけど、将来のために資産を増やす方法の一つだよ。株式、債券、不動産など、選択肢はたくさんあるから、自分に合ったものを見つけて、少しずつ始めることができるよ。

なるほど、資産を増やす方法もいろいろあるんだね。でも、スキルアップも忘れちゃいけないよね。自己啓発を通じて、キャリアの価値を高めることも大切だと思う。

その通りだね。新しいスキルを磨いたり、資格を取ったりすることで、将来の仕事の機会も広げられるし、給料アップにつながることもあるよね。

そうだね。実質賃金低下のこともそうなんだけど、将来のお金のことはもっと考えておかないといけないね。

そうね。私はまずスキルアップから考えていきたいと思うわ。

私は投資ね。

私たちの会社って副業して良かったかしら?
【実質賃金】
実質賃金(じっしつちんぎん、Real Wage)は、労働者が実際に商品やサービスを購入する際に利用できる賃金のことを指します。実質賃金は、名目賃金と物価水準(インフレーション率)との関係に基づいて計算されます。名目賃金は通常の賃金であり、労働者が実際に受け取る金額です。一方、実質賃金は、名目賃金から物価上昇の影響を考慮して調整された金額です。
実質賃金を計算する際には、以下のような手順が通常使用されます
- 名目賃金の確定:まず、労働者が受け取る名目賃金を特定します。これは、契約や労働市場の条件に基づいて決まる通常の賃金です。
- 物価指数の取得:次に、物価指数(Consumer Price Index、CPIなど)を取得します。物価指数は、一般的な商品とサービスの価格変動を表す指標で、経済全体の物価水準を示します。
- 実質賃金の計算:物価指数を用いて、名目賃金を物価上昇に対して調整し、実質賃金を計算します。通常、次の数式を用います。 実質賃金 = 名目賃金 / 物価指数
このようにして計算された実質賃金は、労働者が実際に受け取った名目賃金が物価上昇にどれだけ影響を受けたかを示す指標です。
実質賃金は、労働者の実際の購買力を評価するために使用され、物価上昇が賃金に与える影響を理解するのに役立ちます。
実質賃金が増加すれば、購買力が向上し、生活水準が上昇する可能性があります。
逆に、実質賃金が減少すると、生活費の増加に対処するのが難しくなることがあります。
なお、実質賃金と名目賃金は厚生労働省のHPに掲載されています。
【消費者物価指数】
消費者物価指数(Consumer Price Index、CPI)は、一般消費者が日常の生活で購入する商品とサービスの価格変動を追跡し、測定するための統計的指標で、経済の健全性やインフレーション率を評価するのに広く使用されます。
以下はCPIについての主要なポイントです
- 消費者向け指標: CPIは一般の消費者を対象としています。つまり、個人や家庭が日常の生活で必要とする商品やサービスの価格変動を追跡します。これには食品、住宅、交通、医療、教育、エンターテインメント、衣類などが含まれます。
- 価格の基準年度と基準品目: CPIは通常、日本の場合は2020年を基準にして計算されます。この基準年度の価格を100とし、その後の期間の価格変動を基準に対して百分率で示します。また、CPIの計算には一連の基準品目が使用され、これらの商品とサービスの価格変動が追跡されます。
- インフレーションとデフレーションの指標: CPIはインフレーション(物価上昇)とデフレーション(物価下落)の指標として使用されます。CPIが上昇すると、物価水準が上昇していることを示し、通貨の購買力が低下している可能性があります。逆に、CPIが下落すると、デフレーションの兆候と見なされ、通貨の購買力が増加しているか、経済が不況に陥っている可能性があります。
- 政策決定への影響: 日本銀行や政府はCPIをベースに経済政策を策定します。インフレ率が目標値を超えた場合、日本銀行は金融政策を調整してインフレーションを抑制しようとします。
消費者物価指数は一般的に、経済の安定性や通貨の価値を評価するための重要な指標であり、個人や企業、政府にとって経済の動向を把握するための重要なツールとなっています。
なお、消費者物価指数は総務省のHPに掲載されています。
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